動画紹介:「迷列車で行こう海外編」

「迷列車(海外)の人」

 

前々回、前回と鉄道ネタが続きましたので、ついでに個人的なお気に入りの動画をご紹介。

鉄道好きならご存じの方も多いと思いますが、ニコニコ動画に「迷列車で行こうシリーズ」というタグの付いた一連の動画作品群があります。2009年に投稿された1本の動画がその端緒とされており、それ以降現在に至るまで類似の動画が多数制作されることとなりました(これを書いている時点で同タグの付いた動画は4,000本近くもあります)。シリーズ名が示す通り、これらの動画は「名」ではなく「迷」な鉄道関連の事柄(車両はもちろんのこと路線や駅、列車の編成や運用方法、鉄道会社の歴史や個性等々)をユーモアたっぷりに紹介しており、人気の動画作者さんはそれぞれの得意分野にちなんで「迷列車(○○)の人」と呼ばれたりもします(詳しくはニコニコ大百科の解説と動画制作者一覧をご参照下さい)。

今回ご紹介する「迷列車(海外)の人」は、迷列車で行こうシリーズの初期から動画制作を続けている作者さんで、主にヨーロッパを中心とした海外の「迷列車」の数々を題材にしています。ドイツにお住まいらしく(本人談によれば「某ビールとソーセージの国在住」とのこと)、現地で実際に撮影した写真や映像を使いながら、擬人化した鉄道車両たちの会話劇(茶番かなり多め)を挟みつつ解説を進めていくスタイルがその特徴と言えるでしょうか。

古参組にして現在も制作活動を続けている作者さんですが(投稿一覧はこちら)、ここ数年ほどは軸足をニコニコ動画からYouTubeへと移しつつあるようで、過去作品のリメイク版やオリジナル作品をYouTubeに投稿しています(チャンネルはこちら)。そんな最近の動画の中から、まずは今年になって投稿された私的にお気に入りの新作を2本ご紹介してみます。

 

~ハイス 桟橋鉄道~

 

~世界最小の公共鉄道 ロムニー ハイス&ディムチャーチ鉄道~

 

この手の動画では「英国面」とか「変態紳士の国」といったフレーズで面白おかしく紹介をされてしまうのが定番ネタとなってしまっている感もあるイギリスですが、こういった古い鉄道を現在も、しかも開業当時の姿のまま残し続けているということに驚嘆させられずにはいられません。線路を改軌するとか、新しい車両を導入するとか、バスなど別の交通機関で代替するとか、利便性を考えれば長い歴史の中で転換点はいくらでもあったでしょうに…。

まあ、そういった一般的な常識が通用しないところが「英国面」の「英国面」たる所以ではあるのでしょうけれども。イギリス国内には、こういった実用に使われている変り種路線の他にも、全国各地に数多くの保存鉄道が残されている点が鉄道好きとしては羨ましい限り。

上でご紹介をした2本の動画に出てくるのはどちらもナローゲージの鉄道なのですが、私は子供の頃からこういった軌間の狭い鉄道(いわゆる軽便鉄道)には妙に惹き付けられるものがありまして、中学生の時に見た下津井電鉄廃線のテレビニュースなどは特に強烈な印象に残っていたため、数年ほど前ですが現在は「風の道(自転車・歩行者用道路)」として整備されているその児島駅~下津井駅間の廃線跡を実際に歩いてみて「ああ、この場所を走っていた電車に一度でいいから乗車してみたかったなぁ!」としみじみと思ったりもしました。

そもそも、私が鉄道を好きになった最初のきっかけが幼い頃に繰り返し読んだ原田泰治さん作/画の「さだおばさん」という絵本なんですよね。木曽の森林鉄道が舞台で、行商をしていたさだおばさんが駅長さんになるお話。物語の最後でおばさんが雪崩に遭って亡くなってしまうという悲しい結末なのだけど、表紙の絵にもあるように、おばさんの好きだった山桜が咲く山の上に作られたお墓と、それを周囲から見守るかのように描かれた山々の牧歌的な姿がなんとも温かく心に響きます。険しい谷間を縫うようにクネクネと敷かれた森林鉄道の線路や、狭い客車内で会話をする乗客の様子にも子供心に不思議な魅力を感じたものです。

現在は講談社から刊行されていますが、個人的には
それ以前にポプラ社から出ていた旧版の方が紙質や
発色などの面においては優れていたように思います

 

さて、お次に紹介する動画もこれまた英国の鉄道がテーマとなっていて、王位継承と戦争に翻弄された豪華特急たちの顛末と、その牽引用に開発された高性能蒸気機関車の誕生秘話。

Episode 22 ~Enigma~

 

Episode 22.5 ~古城と天才設計技師の秘密~

 

番外編的な前掲の2作に比べると、本編のこちらは茶番やネタ成分がさらに多めなので好みは分かれるかもしれませんが、内容的には非常に綿密に調べられていますし、テンポの良い構成のおかげもあって楽しみながら知識も深められます。また、この人の動画は使用される音楽も凝っていて、映画音楽やミュージカル曲はもちろんクラシック音楽(モーツァルト、メンデルスゾーン、ドヴォルザーク等)が多いのも私の好みにはぴったりと合うんですよ。

こういった茶番やネタ成分が多い動画というのは、本来なら画面上にツッコミのコメントが同時に流れるニコニコ動画の方が向いていると思うのだけど(逆にYouTube版のオリジナル動画では意図的にそれらの成分を薄めにしているように感じます。ツッコミがないと単なる言い間違えやネタが滑っているようにしか見えない場合もありますしね)、万人受けを考えれば茶番やネタ成分などは少なめの方が正解なのかもしれません。私などはニコニコ動画で「迷列車で行こうシリーズ」を初期の頃から楽しんでいる人間なもので、動画内でのボケに対するツッコミのコメントが流れないと、どうにも物足りなく感じてしまうんですけどね。

 

…というわけで、最後はニコニコ動画に投稿された動画の中からお気に入り作品をいくつかご紹介してみます。特に脈略もなく選びましたが、コメント付きの視聴も楽しいものです。

Episodio 15 ~余り物には福が・・・ある?~


イタリアの最高速列車ETR500型の開発過程における悲喜こもごも。このシリーズでは「おっちゃんさん」としてキャラクター化されているE414型電気機関車の過去話です。

ゆっくりさんと巡る世界迷列車紀行3 ~真紅の贅沢~


上の動画にも出てきたETR500型の食堂車レポート。このイタリアが舞台となっている「迷列車紀行」は2011年にスタートした長期シリーズなのですが、未だに完結していません(完結…するのかな?)。場所柄、私の好きな『ARIA』ネタが多いのも嬉しいですね。

 

Episode 20 前編 ~変態!変態!変態!~

※後編はこちら→Episode 20 後編

Episode 21前編 ~The Black Knight ~

※後編はこちら→Episode 21 後編-1
Episode 21 後編-2

しかし、ヨーロッパの「迷列車」といえば、やはりその筆頭格は英国なのかもしれません。
オリジナリティを発揮させると「迷」を連発するくせに、手堅く無難な形にまとめさせると非常に「名」なものを生み出してしまうという…。まあ、そんな人っていますよね(笑)。

 


 

そんなわけで、今回は「迷列車で行こう海外編」さんの動画を何本かご紹介してみました。数多くある中のほんの一部ですので、ご興味があればニコニコ動画やYouTubeで他の作品もチェックしてみて下さいね!(ニコニコ動画→迷列車リスト/YouTube→再生リスト一覧

 

※アイキャッチの画像はWikimedia Commonsより引用させて頂きました

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