引っ越しの作業中に…
この夏、約25年ほど暮らした関西から信州の実家へ戻ることとなりまして、その引っ越し作業をしていたところ、カメラ機材の保管庫の奥からこのシグマ DP1sが出てきました。
たしか2010年の年末くらいに知人から安価に譲っていただいたもので、最初の数ヶ月は撮影に携行して使ってみたものの、もともと28mm(35mm換算)という画角が苦手であったことに加えてフォビオンセンサーの独特な発色傾向がどうにも自分の好みに合わず、それ以降はほとんど持ち出す機会もないまま機材庫の奥の方に仕舞い込んでいたのでした。
ハイエンド機とはいえもう10年以上も前の製品ですから、いまさらあえて使う理由もないかと思って初めは処分するつもりでいたのですが、カメラと共に出てきた当時の撮影データを眺めているうちに、ふと「これ、モノクロ専用機にしたら面白いんじゃないか?」という考えが頭に浮かんできたのです。調べてみると、フォビオンセンサーはその特性上モノクロとの相性が非常に良いのだそうで、物は試しにと当時の撮影データをモノクロ現像してみたところなかなかに興味深い結果となったため今回そのいくつかをご紹介したいと思います。
シグマ DP1s本体。このままの状態では少し使いづらいので…
こんな感じにアレンジ。純正のフードアダプターにUN製のスクエアフード(46mm径)
それからフォクトレンダー製の単体ビューファインダーとボトムグリップを装着しています
気分によってフードをYAMA製の孔あき/ワイド用(46mm径)に交換したりもします
こちらもなかなか精悍な感じがしますね。ちなみにストラップは邪魔になるので付けません
2011年の撮影データをモノクロ化
当時撮影したデータをモノクロ化してみましたので、テーマごとに数枚ずつ並べてみます。
なお、現像はシグマのSPPでモノクロ化後、Photoshopでグレースケール変換しています。残念ながらSPP搭載のモノクロモードはDP1sのデータには非対応らしく、まず彩度を0にしてからカラー調整でフィルター効果を乗せ、最後に露出補正を加えて(カラー調整で画面の明るさが変わるため)書き出しています。それ以外の画質修正(トーンカーブ・レベル・コントラストの調整、焼き込み/覆い焼き)やトリミングなどは基本的に行っていません。
1.雪の湖北地方
2.鉄道
3.京都/雪の朝
4.伏見稲荷大社
5.京都/街角
6.尾道
最後に直近の写真を数枚ほど
まだ撮影に出掛けられる機会も少なくてお見せできるような新作はほとんどありませんが、今回現像した過去写真からもお分かりの通り、なかなか味のあるモノクローム写真が撮れるまだまだ現役の機種なのだと実感しました。これからも定期的に持ち歩いてモノクロ撮影を楽しんでみようと思っておりますので、また枚数がまとまったらご紹介することもあるかもしれません。古いカメラといえども侮るなかれ、楽しみ方はいろいろあるものなんですね!